夏目漱石「坊っちゃん」について8

 兄が残した金を元手に三年の勉強を終えて、卒業後に中学校の数学教師を勧められた坊ちゃんは行く宛てもなかったので受ける事にしました。それまで住んでいた場所も離れ、初めて遠くへ行くことになりました。そして、出立前の三日前に甥の所にいる清を訪ねますが、風邪で寝込んでいたのです。ですが、坊ちゃんが来たと知ると遂に家を持ったのかと聞いてきます、学校を卒業すれば立派になれると信じる清に坊ちゃんは呆れますが、四国へ行くことを教えると非常にがっかりした様子になり、気の毒に思って来年の夏には帰ると慰めます。それから、土産も買ってくるから何がほしいというと、「越後の笹飴」が食べたいと言います。
 「越後の笹飴」とは越後、新潟県の食べ物です。小説「坊ちゃん」で紹介されて、全国に広がったと言われています。ただ、坊ちゃんが向かうのは四国で、越後とは方向が違います。ただ、やはり別れるのは寂しかった様で、汽車に乗る際に清が涙を浮かべているのを見て、自分も泣き出しそうになったのです。そして、次回から舞台は四国に移ります。

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