宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」について4

 ゴーシュの元へやってきた三毛猫が聞きたがったシューマン作曲の「トロイメライ」とは、穏やかな旋律でピアノ曲として有名です。しかし、ゴーシュが弾いたのは「印度の「虎狩」という曲を演奏します、調べたところ、この曲自体は作者である宮沢賢治の創作らしいのですが、とにかく猫が嫌がって暴れて、外に出ようと必死になる描写がされています。扉にからだをぶつけたり、眼や額から火花を出したり、それをゴーシュは面白がって更に勢いよく曲を演奏します。三毛猫が謝り、自分の周りをぐるぐるまわりだしてから、やっとゴーシュは演奏を止めました。
 演奏が止まると、それまでの暴れ方がウソの様に三毛猫は立ち直り、ゴーシュの選曲が悪いといいます。それにムッとしたゴーシュはタバコを取り出し、三毛猫のザラザラした舌を出させ、そこでマッチを擦り付けて火を起こしたのです。それに驚き、また三
毛猫は扉にぶつかり、外に出ようとします。それをみて、ようやく機嫌を直したゴーシュは扉を開けてやります。ようやく外に出られた三毛猫は、風の様に走っていきました。

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