宮沢賢治「銀河鉄道の夜」について20

 カンパネルラもいなくなってしまった汽車の中で、ジョバンニは声を聞きました、その声はカンパネルラを探しても無駄だと告げたのです。その声と言葉を交わしながら、ジョバンニは自分の為に、母の為に、カンパネルラの為に、そして皆の為にほんとうの幸福を探す、と席を立ちました。すると、声はジョバンニはほんとうの世界でまっすぐ歩いて行かなければならない、その中で切符を手放すな、と告げたのです。そこで、ジョバンニの元に知り合いの博士が来て、小さく折った緑色の切符をポケットに入れました。その切符には二枚の金貨が包んであったのです、ジョバンニは博士にお礼を言い、母に直ぐに乳を届けると言って走り始めたのです。
 そこで目を開くと、最初に寝転んだ丘に居たのです、そして自分が眠っていたことに気付き、急いで牛乳を受け取ったジョバンニは牛乳を受け取って牧場を後にしたのです。そして、帰り道でカンパネルラが祭りの途中、川に落ちて既に長い時間が経ったこと、そして現実の博士から父親から手紙が来たことを知らされます。色んな思いが胸に溢れたジョバンニは、博士に何も言えず、とにかく牛乳と、お父さんの帰りをお母さんに知らせようと走りだす所で、この物語は終わりを迎えます。これで、本日まで続いた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は最後となります。

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