宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」について2

 両親がいなくなり、妹を見知らぬ男に連れ去られたブドリは、男を追いかける内に倒れてしまいます。そんなブドリが目を覚ますと、茶いろのきのこしゃっぽを被り、外套をシャツを着た男が針金で出来た何かを持っていました。男はブドリに網掛けを手伝え、と声を掛けてきました、男がいうのは森は男が買ったそうで、手伝う気がないなら他所へ行けと言うのです。ブドリは泣きそうになりながらも、手伝うといい、一度は木から落ちたものの、網掛けをこなしていきました。途中で疲れて家に帰りたいというブドリに、男は蒸したパンを渡しながら、ブドリの家が既にてぐす工場になっていると言うのです。他に行く場所のなかったブドリは、男の寄こしたパンを食べて、また働いて、工場の隅で小さくなって眠りました。それから、ブドリは工場にされた家で働き、冬はてぐす飼いの男が置いていった食べ物を食べながら、段ボールの中に入っていた本を手本に文字や図を書き写しながら勉強をして暮らしました。
 春になると、また男が新しい手下を連れて戻ってきたのです、その次の日からは去年と同じ様な仕事が始まりました。ですが、仕事は急に起こった噴火により終わりを告げ、男はあぶないから森を出て、別の場所で働く様に言って去っていきました。また一人になったブドリは、今度は野原へ出ていくことになったのです。

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