宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」について3

 住んでいた場所も火山の噴火で住めなくなり、また一人になったブドリは町の方へ歩き続けました。そして、なんとか沼ばたけで馬で泥をかき回す仕事にありつけました、毎日、毎日、泥まみれになりながらも、ブドリは懸命に働きました。その仕事は楽ではなく、のんびりした日々ともいえず、そんな中でブドリが気になったのはクーボーという博士の本でした、興味を惹かれたブドリは仕事の合間を見つけては博士の本を読みこみました。そして、6年経った頃に沼ばたけの主人と分かれ、ブドリはクーボー博士の元を訪れました。博士はイーハトーブに居り、それを知っているブドリはイーハトーブに着くなり、博士の元へ急ぎました。そして、博士が授業をしているという学校へ行き、初めて勉強する場を目にしたのです。
 いろいろな格好をした学生、その前で話す先生、たまに模型を使って説明する様子、それを不思議そうに見る学生の様子をブドリは面白いと感じたのです。ちゃっかり席に座って授業を聞いていたブドリは、隣の学生に授業をしている先生の名を聞きました。すると、その先生がブドリの会いたがっていたクーボー博士だったのです。そして、ブドリが偶然にも書いた図が、2人を引き合わせるきっかけになったのです。

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