明治、大正の詩人について その3

 前回に引き続き芥川龍之介、室生犀星、萩原朔太郎の三人について面白い逸話を紹介します。三人が東京の「田端」に住んでいた際に頻繁に利用した店があります。名前は「天然自笑軒」を冗談の様な店ですが、ここは芥川龍之介の友人で宮崎直次郎という人物が趣味で始めた割烹料理屋だそうです。多くの著名人が訪れた事で有名ですが、西洋料理が好きだった萩原朔太郎は自笑軒の料理を「非栄養料理」と言って、芥川に「野蛮」と呆れられて、室生とは喧嘩したそうです。この話は萩原朔太郎の著書「移住日記」に収録されているそうです。経営者が友人の芥川が怒るなら分かるのですが、なぜ室生が芥川より怒って喧嘩までしたのか分かりません。しかし、そんな事で喧嘩する逸話を読むと、破天荒な行動が取り上げられる文豪や詩人にも親近感が沸きます。ちなみに、荻原朔太郎は家庭の事情で田端に居たのは約八カ月らしく、通う回数は少なかったでしょう。そんな短期間の間に喧嘩できるのも凄いといえば、凄いですね。

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