萩原朔太郎から見た「詩人」としての芥川龍之介と室生犀星

 前回室生犀星からみた「作家」の芥川龍之介の話を書きましたが、本日は「詩人」としての萩原朔太郎が芥川龍之介や室生犀星についての話です。彼は「小説家の俳句」として副題に「俳人としての芥川龍之介と室生犀星」という話を発表しています。その中で彼は芥川氏とは生前も俳句について話した事はあるし、彼の晩年の作品は認めている。けれど俳句は他の作家陣と同じく趣味の域を出ていないと書いています。また、詩人として交流を持った室生氏については当初は詩人として素晴らしい詩を書いていたけれど、小説を書くに様になって本人の言う通り昔の様な詩は書けなくなったと記しています。どちらとも交流がありましたし、室生氏に関しては芥川氏より前から付き合いが長かったので彼が詩文学から離れたのが少し寂しかったのかもしれません。また、ここで作家の詩を「飽食の後に紅茶を一杯すすり」や「閑文学の風雅」とも書いているので、プロとして片手間にやるなとも言いたかったのかもしれません。

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