夏目漱石について その5

 前回の日記では夏目漱石の著作の中でも数多く取り上げられている作品「坊っちゃん」を紹介しました。それは漱石が作家として発表した二作目で、記念すべき第一作目は今でも時折パロディに使われる「吾輩は猫である」です。この物語は名前のない猫が居ついた家の住人や訪問してくる客人が織りなす日常が猫の目線で滑稽に書かれています。この小説に登場人物する猫の主人や客人は、漱石自身や周囲の人々とされています。作中でも主人の職業は教師で胃が弱いと描写されています。この小説が発表された頃、漱石はまだ教師をしていました。そして、彼は胃弱でした。それで入退院を繰り返し、亡くなった要因の一つも胃弱とされています。また、漱石を囲む人々も変わり者が多かったそうです。
 この事から「吾輩は猫である」は記念すべき第一作目の他に作者の事や周囲を知るための資料としての側面もあります。また、この作品に出てくる「猫」にもモデルが存在します。その猫も名前がなかったとされています。

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