夏目漱石について その6

 前回の日記では漱石のデビュー作である「吾輩は猫である」を紹介しました。その中で漱石の小説に登場する人にはモデルがいるとも書きました。あれはデビュー作に限った話ではなく、漱石文学は発表された当時や研究する人々の間で小説のモデルは誰なのか何度か話題になったそうです。その事について作者である漱石は参考にした人は居ても、誰がモデルかなんて考えていないと言っています。ですが、学生時代から交流があった寺田虎彦という人物は教師だったのもあり、よく生徒の間で登場人物のモデルだと噂されていたそうです。それを漱石に相談したところ、ならば新聞に違うと書いてやるといったそうです。それだと逆効果だとという事で新聞掲載は無くなったそうです。また、人気小説のモデルを自称した人も多いです。その中には漱石が知らない人もいたそうです。それだけ人気があったと喜ぶべきでしょうが、これを気難しい漱石が知ったら勝手な事をするなと怒っていたかもしれませんね。

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