夏目漱石について その7

 夏目漱石は気難しく、また勉学に対して厳しい人でした。ですが、そんな漱石が好んで食べたのは甘味でした。胃が弱かったので食べ過ぎると体調不良になるにも関わらず、漱石は身内が隠した饅頭や菓子類を上手く見つけては食べていたそうです。しかも、ジャムを瓶から直に食べて、それを子供が真似するので夏目家ではジャムの支払いだけで結構な金額になったそうです。そう考えると気難しい一面も愛嬌がある様に思えますね。
 明治時代に活躍した文豪で「甘党」の他にもいました。有名な作家では漱石によって文壇にデビューした芥川龍之介、漱石より前から作家として有名だった森鴎外も甘党だったそうです。おそらく、日本の菓子類は自然の甘みが売りだったので、クリームやカスタードを使った菓子類が新鮮だったのでしょう。また、文豪が活躍した時代は日本が西洋文化を盛んに取り入れていたので、西洋菓子が物珍しく、けれど以前より簡単に入手できるようになったのも流行った一因でしょう。ですが、ジャムを瓶から直に食べるのは健康的とは言えませんね。

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