夏目漱石について その13

 このブログで幾度と紹介している夏目漱石ですが、彼に限らず明治の著名人は沢山の本を読んでいました。漱石も部屋に入りきらない程の本を読んでいました。それは前回の記事で紹介したイギリス留学時代も変わらず、大学の講義内容が日本と大して変わらないと分かると大学に行くなら本を買って自分で勉強した方が良いと大量の本を買っていたそうです。おまけに帰りの船賃まで本につぎ込んで、調子がおかしいとの噂を聞いた知り合いが帰国させようとしたのに遅くなったそうです。
 当時のイギリスには図書館もありましたが、漱石は国内外に関わらず基本的に利用しなかったそうです。何故から、彼は本に「書き込み」をするからです。現在でも漱石研究の資料として残されている本には大量の書き込みや線引きがされているそうです。基本的に図書館の本は「皆でキレイに使いましょう」なので、当然ですが書き込みは厳禁です。ですが、そうした書き込みや線引きが残っているおかげで当時の漱石が、その本を読んで何を思っていたのか分かるのです。

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