夏目漱石について その14

 前々から紹介している夏目漱石ですが、この筆名が初めて使われたのは学生時代です。正岡子規に「文集の巻末に批評がほしい」との事で、その際に本名はダメだし、分かりやすくて誰が書いたかが想像しやすい名前が良いと「漱石枕流」という言い間違えを理屈をつけて言い張ることを指す故事から「漱石」と取りました。後に俳句をする際に他の名前もありましたが、後世まで残っている名前は「漱石」です。ただ、この時に書かれた「漱石」は「漱」の字の最後を間違えていたそうです。そんな「うっかり」もありますが、その名前で世に出た名作は数多いです。ただ、その作品の題名に関して有名なエピソードがあります。それは前期三部作の三作目「門」の命名についてです。これは連載が始まる前に漱石が弟子に「内容も決まってないから適当に付けてくれ」と言ったそうです。言われた弟子は机の上にあった本から適当に一文字選んだそうです。そして、漱石はタイトルから見事に小説を書きあげました。これには付けた弟子も驚いたそうです。

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