夏目漱石について その15

 デビュー作が「吾輩は猫である」なので猫派のイメージがある漱石ですが、残された資料では犬を可愛がっていたそうです。教師として熊本に移り住んだ際も犬を飼っていたそうですが、この犬は家族には懐くのに他の者には吠えるし、噛み付くので「獅子犬」と呼ばれていたそうです。ただ、漱石は本当に可愛がっており、巡査に注意された時も「怪しいから吠えるし、人相が悪いから噛み付くのだ」と言っています。ですが、そんな漱石すら夜遅くに帰り、吠えられ、噛み付かれ、家に入った際は真っ青な顔をしており、袂と袴が破れていたそうです。正に「飼い犬に手をかまれる」です。
 この話で更に渾名が有名になって、後世に残ったのかもしれません。また、別の時にも犬を飼っており、こちらはトロイ一の勇将の名前です。子供達は変な名前だと最初は嫌がったそうですが、次第に慣れていったそうです。また、漱石も呼ぶのに慣れたので元となった勇将のイメージは遠のいたそうです。弟子に構成も出来てない小説の題名を頼んだり、最後まで「猫」と名付けれた「猫」も顧みるに付ける時は真剣に付けて、付けない時は本当に適当に付ける様な印象を受けます。

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