前回の記事から続けている夏目漱石の「修善寺の大患」の事を含めた日々の事が綴られている「思い出す事など」ですが、これは随筆やエッセイ、または日記の様な内容です。修善寺に向かう少し前から、その後も漱石が思ったり、見聞きした事を綴っています。意識がもうろうとしていながらハッキリと口を聞いた事もですが、その後に起こった体の変化も綴られています。
気が付いた驚いた事は体の変化であり、アバラの所から顔に手を持っていこうとしても思う様に動かない。また元に戻そうとしても上手く出来ず、無理をするのが怖い。また死んだ人間には意識があるのだろうとかという哲学的な思想を巡らせたり、また食事についても記述しています。その際に若くして亡くなった兄二人についても綴っています。夏目漱石は生まれた当初は両親が年老いた時期であり、また長男が居たので養子に出されたのです。ですが、その兄二人が亡くなり、巡り巡って夏目家に戻ります。鮮明な記憶はないらしいですが、その兄二人も髪が黒い内に亡くなったと記述しています。
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