夏目漱石について その26

 前回の記事で最後に書いた「博士事件」ですが、事の発端は明治44年、そろそろ漱石が退院する直前に新聞で夏目漱石に「文学博士」が授与されるという記事が掲載されます。ですが、漱石は全く覚えがない事です。更に翌日には夏目家に文部省まで来る様に、という手紙が届きます。漱石は授与に関して「本人に受け取るか確認する為だろう」と思って、自分は入院なので行けませんと連絡する様に言ったそうです。ですが、連絡した翌日には文部省から立派な博士号の賞状が届けられます。
 なんの連絡も確認も無しに送られてきた賞状ですし、漱石が博士号など肩書きが嫌いなのもあり、すぐに手紙で博士号を辞退しました。ですが、異例の事態に二ヶ月後に文部省は既に渡したので辞退できないという書状が送られてきます。これは世間では賛否両論でしたが、漱石の人柄を知る人々の間では辞退は当然だろうと思っていたそうです。後に取り消しは出来ないが辞退したので、学位は文部省学務局が預かる事になったそうです。気難しい漱石らしい逸話でもあります。

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