夏目漱石について その36

 さて、寒さも本格的になった本日は前回と同じ様に漱石が道具で悪戦苦闘する話を紹介します。タイトルは「自転車日記」です、これで何に悪戦苦闘したかは一目で分かると思います。この冒頭で「西暦一千九百二年」と書いているので、時期としては漱石がロンドンに滞在していた時期です。ここでは下宿先で自転車を勧められて、自転車に「乗る」というより「落ちるため」に自転車に向かうとあります。
 そして自転車の練習をしていると「ここは馬を乗る所で自転車の練習場所じゃない」と言われたり、坂を下りて見たり、自転車の具合に関する会話等が書かれています。前回の万年筆と同じく、勧められた時の悲愴感や購入から乗れる様になるまでの文字通り「悪戦苦闘」が綴られています。当時の自転車は既に今と変わらないデザインだったと思うので、乗れるかは本人の「慣れ」でしょう。漱石は自転車を購入する時から不平を書いており、本当に嫌だったんだなぁ、と思わず苦笑します。乗るまでの苦労も眉間にシワが寄っているのが見えそうな文章で綴っています。

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