夏目漱石について その39

 さて、夏目漱石に関する事がらを綴って随分と経ちますが、今年も残り僅かです。一年に終わりが来る様に夏目漱石にも終わりはあります。それでも、彼が作家として評価されて現代まで作品が語り継がれているのは事実です。そんな漱石は記事で何度か書きましたが、俳人として有名な正岡子規と友人でした。正岡子規は先にも書いた様に俳人で、いくつも有名な俳句を作っています。教科書に載っている写真は頭髪がなく、横顔からは物静かな印象を受けますが、漱石が語る子規は食い意地が張っており、おまけに勝手に蒲焼を注文したり、高そうな店で食事をして支払いをさせるなど正に「悪友」と呼ぶに相応しい行動をしています。
 ですが、こうした事を覚えており、また自分と子規は似た部分もあったと残しているそうです。互いに後世まで名前が残る著名人ですが、やはり一人の人間として友人が居たのだと伺える資料です。二人の交流は子規が残した互いの手紙でも伺えます、漱石は必要なくなった手紙は処分していましたが、子規は細かく記録しており、二人の交流の証拠が今も残っているそうです。

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