夏目漱石について その47

 昨日の夕食に寿司を食べたおり、先週の記事に引き続き、漱石の作中に食べ物が出ていた事を思い出しました。調べてみると他にもあるので、今回から作中に出てくる食事や食べ物に関する描写を紹介していきたいと思います。物によっては今も食べられるかもしれません、さて肝心の作品ですが本日は平成二十六年の十月から「朝日新聞」にて再連載が始まった「三四郎」です。
 本作は福岡県の架空の村で生まれ育ち、熊本の第五高等学校を卒業して上京する「小川三四郎」が様々な人達との出会い、付き合いで得る経験や恋愛模様が書かれた「三四郎」です。その第一章で京都・名古屋間の列車内で「三四郎は思い出したように前の停車場(ステーション)で買った弁当を食いだした」とあり、その後に「三四郎は鮎の煮びたしの頭をくわえたまま女の後姿を見送っていた」とも書かれています。弁当を買った駅は分かりませんが、先の記述を読む限り、この頃は鮎が決まった時期しか食べられない現代と比べて手軽に食べられていた様です。

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