講義の事で悩みを打ち明けた三四郎は、与次郎に連れられて電車に乗り、一緒に夕食を取りました。そんな与次郎から図書館の話を聞かされ、三四郎は図書館に向かいます。難しくて読めなかったり、色々ありながらも日に八冊から九冊位は本を読みました。どんな本も鉛筆のあとがあり、それは誰かが目を通した事を示していて、三四郎は驚きます。聞き慣れれない作家の小説を借りて、これはと思っても、やはり鉛筆のあとを見つけ、やりきれない思いになります。
その後、散歩に出た三四郎は与次郎に紹介された青木堂に入ります。そこで、知った様な顔を見つけます。
「はいってみると客が二組あって、いずれも学生であったが、向こうのすみにたった一人離れて茶を飲んでいた男がある。三四郎がふとその横顔を見ると、どうも上京の節汽車の中で水蜜桃をたくさん食った人のようである」
声を掛けようかと悩みますが、相手は気付かずに寛いでいます、なので三四郎は戻る頃にしたのです。
「三四郎はじっとその横顔をながめていたが、突然コップにある葡萄酒を飲み干して、表へ飛び出した。そうして図書館に帰った」
葡萄酒とは勿論「ワイン」です、学生が気軽に飲めるのが時代を感じさせます。
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