夏目漱石について その57

 前回の記事で三四郎は故郷の食べ物を思いがけず、野々宮の家で見かけます、その後には野々宮は用事で出掛けると言い、留守を三四郎に頼みます。理由は野々宮の家で手伝いの女性が臆病で、自分が出掛けると一人になる、近所も物騒だ。ただ、時間が無かったので知り合いの佐々木は都合が付かず、三四郎に一晩だけ泊まってくれる様に頼みます。三四郎が承知すると、件の女性が三四郎に食事を出してくれます。そこには、前の記事で紹介した「ひめいち」が付いていました。そこから三四郎は色んな経験をしていきます、その中で少し落ち込む事があり、図書館の横を通ると与次郎が声を掛けてきました。
 「「おいなぜ休んだ。きょうはイタリー人がマカロニーをいかにして食うかという講義を聞いた」と言いながら、そばへ寄って来て三四郎の肩をたたいた」
 説明せずとも分かるでしょうが、イタリー人とはイタリア人、マカロニーとはマカロニの事です。この時の日本人がどのくらい口にしていたかは謎ですが、真面目な話が続いていたので、少し気が緩む台詞でもあります。

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