夏目漱石について その65

 60回を超えた本日も、三四郎の話題を続けます、与次郎は野々宮くんを海外では有名でも日本では誰も知らないと言う事で燈明の様だと言います。そんな与次郎は「丸行燈」だと言われ、急に三四郎に生まれた年を聞いてきます。三四郎が23年、明治23年だと言うと、与次郎は広田先生に自分は明治15年以降の生まれせいかもしれないが、丸行燈等は旧式で嫌な気分になると言います。君は、と聞かれた三四郎は「きらいでもない」と言います。
 そんな三四郎を与次郎は九州の田舎から出てきたから、頭の中が明治元年と同じ位だろう、と返します。これについて三四郎も広田先生も対して言い返すことなく、ですが広田先生は少し先に行った古い寺と隣に立つ青ペンキ塗りの西洋館を見ながら「時代錯誤だ」と言います。
「時代錯誤(アナクロニズム)だ。日本の物質界も精神界もこのとおりだ。君、九段の燈明台を知っているだろう」とまた燈明台が出た。
 広田先生は燈明台は「江戸名所図会」に出ていると言いますが、それに与次郎が言い返しますが、それは長くなるので次週に回します。

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