夏目漱石について その66

 六月も終わり、七月に本格的に突入しました、ですが、まだ梅雨の影響からか雨が続くひが多いです。そんな本日は前回から引き続き、夏目漱石の小説「三四郎」から、上京の際に出会った広田先生と大学で知り合った与次郎との会話が続きます。広田先生が家を借りるという話で、良さそうな物件を見に行った帰りに、ひょんな事から与次郎の時代によって異なると言う考え方について広田先生が意見します。
 その際に広田先生が「九段の燈明台が江戸名所図に出ている」と言いますが、与次郎が違うと言います。これについては錦絵の間違いだそうで、広田先生曰く、古い燈台が残っているのに新しい煉瓦造りの建物が出来て、並べると馬鹿げているのに気付かない、平気で居るといいます。先生は言います。
 「これが日本の社会を代表しているんだと言う」
 この前の記事に寺と新しい建物を見比べた二人は、なるほどと言います。確かに、今の日本でも真新しいビルの周囲に古い木造の建物が残っている所もありますが、それをおかしいと感じる事はありません。

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