彼女の促され、一緒に掃除をする事になったのですが、肝心の掃除道具がない。彼女の助言で道具を隣家で借りてきて、急いで戻ってきたものの、掃除を提案した彼女は庭を眺めていました。ただ、三四郎には気付いた様で、道具の有無を聞いてきました。三四郎がありました、と言えば、彼女は白足袋が汚れるにも気にせず、砂だらけの縁側に上がりました。歩けば細い足跡ができる様な縁側で、彼女は袂から白い前垂れ、着流しの和服の裾を覆う為に考えられた作業着を出して、それを帯の上から締めました。
「その前だれの縁(ふち)がレースのようにかがってある。掃除をするにはもったいないほどきれいな色である」
そんな風に見惚れていると、彼女はホウキを取って、砂を掃き出しましょう、と言いながら手際良く袖をまとめていきます。唐突に出てきたキレイな二の腕、オマケに袂の端から着物の中が見える。その様子に三四郎は呆然としてたっていましたが、急にバケツを鳴らす勢いで勝手口に回りました。
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