夏目漱石「坊っちゃん」について1

 2016年は夏目漱石没後100年という節目を迎えます、本日から紹介していくのが今から110年前、1906年に発表された中編小説「坊っちゃん」です。映画やテレビドラマ、アニメに舞台と様々な形で受け継がれ、今も多くの人々に愛される漱石の代表作の一つです。主人公の「坊ちゃん」は東京理科大学の前身に当たる東京の物理学校を卒業したばかりの「江戸っ子気質」で「血気盛ん」で「無鉄砲」な新任教師が赴任した学校で様々な騒動を巻き起こすのです。
 この物語の下地になったのが、漱石の教師としての経験です。彼は今の東京高等師範学校の前身である高等師範学校で英語を教えるように任され、そこから松山東高校の前身である愛媛県尋常中学校で1895年頃から1896年に熊本の第五高等学校に赴任するまでです。他の漱石作品に比べると登場人物の名前が「あだ名」だったり、いたずらがあったり、わんぱくだったりと大衆的な内容になっており、それらが今も愛される理由になっています。

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