夏目漱石「坊っちゃん」について5

 家族からも周囲からも呆れられ、疎まれていた坊ちゃんを将来は立派になると思い、立派な家に住む際は自分も一緒にいさせてくれと頼んでいた清ですが、兄が学校を卒業すると家の状況が一気に変わったのです。兄は会社の関係で九州に行かなくてはならなくなり、坊ちゃんは東京で学問をしなければならない、兄は兄で家も財産も片づけていくと言い出します。兄の世話になってもケンカになるだろうし、何か言い出されたり、何かあった時に兄に頭を下げなければならないのが嫌だった坊ちゃんは好きにしろと返します。牛乳配達でも食べていくと覚悟を決め、坊ちゃんの家は他人の手に渡ったのです、こうなると手伝いの清にはどうすることも出来ません。
 ただ坊ちゃんが後少し年を取っていたらと残念がりました、そして、坊ちゃんが立派な家を持って、奥さんを貰うまで甥の厄介になると決心したのです。兄は兄で、九州へ立つ二日前に下宿へ来て、坊ちゃんと清に幾らか金を置いて行きました、それから新橋で別れたきり、兄とは一度も会うことはありませんでした。

Posted in 文学 | Leave a comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください