夏目漱石「坊っちゃん」について10

 さて、前回の記事で坊ちゃんは中学校にやってきました。しかし、当直は居らず、流石に疲れたので宿屋に向かったのです。その宿屋で案内された部屋は熱く、当然、部屋替えを希望します。しかし、その部屋以外は満室ですと返され、けれど坊ちゃんが湯に入った帰りに覗いてみると、涼しそうな部屋が沢山あいていたのです。たまたま客が出ていただけかもしれませんが、坊ちゃんは満室と言った相手に「失敬な奴だ、嘘をつきゃあがった」と内心で怒ります。
 ただ、良い点もありました、それは食事です。今まであれこれと文句ばかり言っていた様な坊ちゃんですが、食事は旨いと褒めたのです。しかし、宿の女性が食べ終わった膳を下げる際に大きな笑い声が聞こえ、熱いだけでなく、下宿の五倍は騒がしい事が分かります。それでも、うとうとして、坊ちゃんは清の夢を見たのです。夢の中で清は前に言っていた笹飴を笹ごと食べており、笹は毒だろうという坊ちゃんに逆に薬だと返します。それに呆れて、大きな口を開けて笑った所で目が覚めます。

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