夏目漱石「坊っちゃん」について12

 さて、ようやく騒動を巻き起こす中学校で校長に会えた坊ちゃんですが、他の先生を待つ間に聞かされた校長の求める教育者像を聞いて、自分には務まらないと思って辞令を返そうとしました。ですが、校長は狸のような目をぱちつかせて坊ちゃんの顔を見て、今のは只の希望であたなが希望通りに出来ないのは知っているから心配しなくていいと笑うのです。知っているなら威嚇の様な希望を聞かせなければいいのに。そう思っている内に合図のラッパが鳴って、もう教員達も来ているだろうと言う校長についていきます。
 それから、先に校長が言ったように一人、一人の前に辞令を出して挨拶をしていきます。その中に大学の卒業生でえらい人だろう教頭のなにがしという者が出てきます。この「なにがし」が後に坊ちゃんが懲らしめる事になる「赤シャツ」です。本人曰く、赤は体の薬になるそうですが、坊ちゃんは「人を馬鹿にしている」や「着物も袴も赤にすればいい」など、第一印象からして合わなかったようです。

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