夏目漱石「坊っちゃん」について14

 前回は坊ちゃんが今後の物語で友情を気付くことになる山嵐と出会います、印象が良くなかった坊ちゃんは関わり合いを避けたいと思いますが、数学の主任だったので授業の為に打ち合わせをしなくてはなりませんでした。内心で嫌がる坊ちゃんに気付かず、山嵐は偉そうにせず、自分から坊ちゃんの宿に向かうと言い、少し印象がよくなります。教員達は授業に向かい、担当のない坊ちゃんは宿に帰ろうとして、帰ってもやる事がないからと町を少し散策します。相変わらずの口の悪さですが、県庁に城など当時の町の様子が幾ばくか紹介されていきます。
 そうして散策を終えて帰れば、宿屋の態度が変わり、広い部屋に案内してくれます。生まれて初めての立派な座敷に寝転び、気分がよくなった坊ちゃんは清に手紙を書きます、文章が苦手で手紙を書くのが大嫌いだと思いつつ、清の大袈裟な心配を払うべく、奮発して書いたのです。そう書いても内容は無事についたこと、自分がいる座敷、宿屋への支払い、眠れないこと等を簡潔に述べただけでした。

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