夏目漱石「坊っちゃん」について21

 生徒は「天ぷら」から始まり、続いて温泉のある町で食べた団子の値段、更には珍しく坊ちゃんが褒めている住田の温泉へ行く際に必ず下げていく西洋式手拭をネタにして赤手拭とからかいます。また、月給の割に温泉で良い所へ入るのは贅沢だと言い出します、作中で余計なお世話だと思う坊ちゃんを生徒の目は追い続けます。今度は坊ちゃんが誰もいない事を確認した上で、湯船で泳いだ事が生徒に知られていたのです、先にも書いたように坊ちゃんは誰もいない時に泳いでいたのです。ある日、湯の中で泳ぐべからずという札が出ており、この時は自分が泳いでいるのが温泉にバレて注意されたと思ったのです。
 それが学校へ行くと天ぷらや赤手拭の様に、黒板に札と同じ様に「湯の中で泳ぐべからず」と書かれていたのです、坊ちゃんは生徒全員が自分一人を探偵の様に探っている様に思い、気分を悪くします。おまけに学校から帰れば骨董責めで、坊ちゃんは改めて、こんな所へ来たのかと情けなくなってしまいます。

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