夏目漱石「坊っちゃん」について22

 生徒にからかわれ、下宿に帰れば骨董責め、それでも教師として坊ちゃんは学校へ行きます。ですが、まだ納得できない事があります、それは教師が学校へ泊る「宿直」です。学校の教員が交代で昼の仕事を終えて、そのまま学校の宿直室に泊まるのですが、坊ちゃんが「狸」と「赤シャツ」と勝手に名付けた校長と教頭の二人は例外となっています。理由を聞けば「奏任待遇だから」、つまり現在でいう国家公務員の偉い人と同じ待遇という意味です、面白くない、給与は沢山とるのに働く時間は少なく、宿直まで免除されるのは不公平だと坊ちゃんは思います。
 しかも、それが当たり前だという顔をしていて、図々しいと思うものの、山嵐は一人が不満を言っても何も変わない、英語まで使って「強者の権利」だと聞かされます。しかし、坊ちゃんは納得できず、宿直の番が回ってきますが、自分の布団でないと寝た気になれず、友達の家でも無理なのに学校では猶更に厭だと思いますが、これも給与の為と我慢します。

Posted in 文学 | Leave a comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください