夏目漱石「坊っちゃん」について37

 沖釣に挑戦した坊ちゃんは、糸をいい加減に操りました、すると手応えがあったのです。しめたと思って糸を手繰り寄せると、野だがひやかしてきます、坊ちゃんは気にせず糸を手繰り寄せて金魚のような縞のある魚を釣り上げます。その時は面白いと思ったのですが、糸がなかなか取れず、魚を捕まえた手はぬめぬめする。大いに気味が悪い、と糸を乱暴にふって折角の魚を死なせてしまいました。赤シャツと野だが驚くなか、海水で手を洗い、手を鼻先へ持っていき、臭いと思います。それだけで懲り懲りだ、何が釣れても魚は握りたくないし、魚も握られたくないだろうと糸を巻いてしまいます。
 そんな坊ちゃんに野だは露西亜の文学者の名を出して、生意気だと言います、すると赤シャツがカタカナの人物を並べ、坊ちゃんは自分は数学教師で何を言っているか分からないから遠慮しろと思います。それから赤シャツのカタカナの由来は雑誌だと分かりますが、そんな雑誌を読んでいる赤シャツ、それから野だが釣ったのは坊ちゃんと同じ魚ばかりでした。

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