夏目漱石「坊っちゃん」について42

 赤シャツに空気が悪くなる、と言われ、剣呑は覚悟です、と坊ちゃんは返します。赤シャツは生徒にもいろいろな事情がある、辛抱してくれ、君の悪い様にはしない、と。坊ちゃんが事情を聞いても少し込み入っていて、自分が話さなくても段々と、自然と分かってくる。野だも赤シャツと同じで、だんだん分かると言います。そんな遠まわしな事を言わず、坊ちゃんが赤シャツの方から話が聞きたいと言えば、確かに話だけ振って、後をつけないのは無責任だ、これだけ言っておきましょう、と坊ちゃんが学校を卒業したてで、教師として経験が浅いから淡白に行かないという話をします。
 坊ちゃんも経験が浅いのは自覚しており、履歴書にも書いたと返すと、赤シャツ曰く、そこから乗ぜられる、つまり状況を利用される事がある、と言うのです。野だが船頭と釣りの話をしている間に、話しやすくなった坊ちゃんは正直にしていれば誰が利用しても怖くない、と言い切ります。それに怖くはないが、乗ぜられる、現に君の前任者がやられたから気を付けた方が言いと赤シャツは言うのです。

Posted in 文学 | Leave a comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください