夏目漱石「坊っちゃん」について45

 さて、全11章からなる小説「坊ちゃん」も今回から6章に入り、折り返しとなります、ここで教師になってから日も浅い内に坊ちゃんは作中にてハッキリ「大嫌いだ」、「気に食わない」という相手ができます。前回の記事で既に察した人もいるでしょうが、その二人は「野だ」と「赤シャツ」です、沖釣に行ったのですが、赤シャツは坊ちゃんの単純さを笑い、野だは赤シャツを肯定する事ばかりいう。原作では6章の冒頭は「野だは大嫌いだ」から始まり、「赤シャツは気に食わない」と書かれています。特に赤シャツは誰もが見ほれる美丈夫でもないのに、声をわざと気取って優しいように見せる、それでは惚れるのは話に出た「マドンナ」くらいだ。しかし、相手の肩書は「教頭」で、坊ちゃんより上です。
 一応、家に帰って赤シャツが言った事を思い出して、間違った事は言っていない様と思います。そんな坊ちゃんに山嵐が「赤シャツはよくない奴だから用心しろ」というらしく、それなら男らしく断言して、悪い教師なら辞めさせるべきだ、と赤シャツの事を意気地なしだ、弱虫だと思うのです。

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