夏目漱石「坊っちゃん」について46

 赤シャツは気に入らない、気の合った友人の山嵐は赤シャツをよくないと言う。内心で弱虫と思いながら、赤シャツの忠告は親切であり、声が気に入らないという理由で親切を無下にするのは筋が違う。むしろ、この場合は赤シャツを悪くいう山嵐が悪い。世の中は不思議なもので、虫の好かない赤シャツは親切で、気の合った山嵐は悪漢になるとは人を馬鹿にしている、と坊ちゃんは思います。そして、山嵐が生徒を扇動して嫌がらせをしたのかと考えます、山嵐は一番人望がある教師と言われており、やろうと思えば大抵の事は出来るかもしれない。それでも、山嵐なら生徒を使って嫌がらせなどせずに、直に自分を捕まえてケンカをすれば手間が省ける。本当に自分が邪魔なら、実はこれこれで、邪魔だから辞職してくれと言えば良さそうなもんだ、と容易に想像できます。
 物事は相談すればどうとでもなる、向こうの言い分に納得できるなら、明日にでも辞職する。ここでしか米が育たたないわけではないので、どんな果ての地に行っても飢えることはない、もし山嵐なら、よっぽど話せない奴だと坊ちゃんは奢ってもらった氷水の代金を返そうと勝手に決めます。

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