夏目漱石「坊っちゃん」について61

 人生初の会議で狸、もと校長と教頭の赤シャツの言い分を聞いて、自分は寝床にバッタを入れられたのに、二人の言い分を聞けば、被害にあった自分が悪いと言われている様で腹を立てました。ですが、反論しようにも二人の様に口が上手い方ではない坊ちゃんは口を出せません、それでも何とか言い返そうと考えていると突然に野だが立ち上がりました。驚いていると、野だはいつもの口調で、けれど真面目に意見を述べます。ただ、その言葉を聞いても、坊ちゃんには「その意見に賛成します」と言ってる事しか分かりませんでした。それに腹を立て、思わず腰を上げて「私は徹頭徹尾反対です」と言いましたが、後が出てきません、何とか「そんな頓珍漢な処分は大嫌いです」と言う内容を付け足しました。
 すると職員は一斉に笑い出し、坊ちゃんは生徒が悪いのだから、ここで甘い処分を下せば、癖になる。自分は学校を辞めさせられても構わない、新しく来た教師だと思って、と言って着席しました。すると、右隣の博物の教師は、生徒が悪いのも分かるが、あまり重い処分をすると反動が起こるといけない。やはり、教頭、赤シャツの言う通り寛な方に賛成だと弱気な事を言うのです。

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