夏目漱石「坊っちゃん」について64

 作中で「敬愛する」とまで明言したうらなり君に紹介してもらった新たな下宿先で、坊ちゃんはうらなり君の転勤を知り、第9章は彼の送別会の話から始まります。そこで山嵐が久々に話しかけて、実は下宿を追い出されたのは坊ちゃんの所為ではなく、下宿先の主人が偽の骨董品を売りつけようとして、買わなかった坊ちゃんに腹を立てて山嵐に嘘を言ったことが分かります。そして、坊ちゃんも会議で山嵐が自分の意見に賛同してくれたのを聞き、彼を疑うのをやめ、手を付けずにいた氷水代を自分の財布に納め、仲直りしました。そして、坊ちゃんは改めて山嵐から赤シャツ、うらなり君、マドンナについて改めて話を聞き、転勤の詳細に怒り、山嵐と意気投合します。
 それから、第9章はうらなり君の送別会の内容が細かに書かれ、第10章では赤シャツがマドンナという婚約者が居ながら、芸者と遊んでいる事を知ります。そこで持ち前の気の短さから、坊ちゃんは山嵐と二人で赤シャツを懲らしめようと計画するのです。

Posted in 文学 | Leave a comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください