織田作之助「夫婦善哉(めおとぜんざい)」について7

 さて、前回の終わりで「蝶柳」という関東煮屋を始めた柳吉と蝶子ですが、最初は順調に売り上げを出していました。ですが、柳吉の性分を知っている蝶子は、いつ悪い癖が出るかと心配していました。そんな時、柳吉の妹が結婚すると聞き、それに呼ばれなかった事で柳吉は金を持ち出して三日も帰ってきませんでした。店が忙しかったのもあり、当然、蝶子は怒ってケンカになります。ですが、それで懲りる柳吉ではありませんでした、やがて散財する金額は増えていき、店を閉めることになりました。そんな二人が次に始めたのが果物屋です、関東煮の道具類を全て売り払い、店を改造して何とか資金を工面して、付け焼き刃の技術で商売を始めます。こちらも最初は上手くいきますが、今度は柳吉が病気になってしまいます。
 病名は腎臓結核、命が惜しくば入院しろと言われ、これが理由で店を閉める事になります。また蝶子の母も病気になり、柳吉の妹や娘が見舞いにきたりと、慌ただしい事柄が続きます。その内に蝶子の母が世を去ってしまいます。

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