本日から紹介する「セロ弾きのゴーシュ」は彼が世を去った翌年1934年に発表された作品です。この作品は、作者である彼自身が実際にチェロを練習した経験が反映されていると言われています、彼は農学校で教師をしていた頃に楽団をしようと自作の詩に曲をつけて演奏しようとチェロを購入して、練習したのです。そんな実体験を元にした物語ですが、童話作家らしく、主人公でセロ弾きのゴーシュの元に動物達が次々にやってくる、という内容になっています。
まず、物語はゴーシュが町の活動写真館、今でいう映画館でセロを弾く係なのに上手ではなく、それどころか仲間の楽団員の中で一番下手なので、怒られている、という文章から始まります。今度の町の音楽会で「第六交響曲」の練習をするのですが、トランペット、ヴァイオリン、クラリネットに比べ、ゴーシュのセロは遅れたり、糸が合わない、など何度もダメ出しをされてしまいます。それでも、何とか曲を進めていきますが、やはりゴーシュの演奏がよくない、と最後まで演奏できなったのです。
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