宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」について2

 主人公のゴーシュは自分なりに一生懸命に担当楽器のセロを弾きますが、音楽団の楽長は曲の肝心な部分が揃っていない、特にセロの演奏がなっていない、他の楽器と音が合わないと、と怒るのです。そして、その日の練習は終わり、ゴーシュ以外の皆はおじぎをして一服したり、どこかへ出て行きました。演奏の余りの言われように泣いていたのに、誰も気に留めてくれなかったのです、それでも何とか気を取り直して一人で練習をしたのです。その日の夜遅く、ゴーシュは家代わりにしている、町はずれの川近くにある壊れた水車小屋に帰り、持ち帰ったセロを包みから出して、水を飲んで気合いを入れると虎の様な勢いで昼に練習した所を、弾き始めました。
 楽譜をめくり、試行錯誤して、最後まで弾くと、また頭から。夜中を過ぎても弾き続ける姿は、物凄い顔つきになって、今にも倒れそうでした。そんな時、扉をたたく音と「ホーシュ君か」という声がして、ゴーシュはハッとしました。そんなゴーシュの元に来たのは、5回か6回ほど見たことがある三毛猫だったのです。

Posted in 文学 | Leave a comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください