宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」について10

 ゴーシュは自分を訪ねてきた狸の子を怖がらせて追い返そうと、狸鍋を知っているかと聞きました。しかし、素直に知らないと言われ、思わず吹き出してしまいますが、気を取り直して鍋の説明をして、追い返そうとします。ですが、狸の子は親にゴーシュは良い人だから習って来いと言われ、ここに来たと言ったのです。そこで我慢の限界に達して、ゴーシュは笑ってしまいました。そして、狸の子に何を習いに来たのか聞きました、すると自分は小太鼓の係でセロへ合わせて来いと言われた、との事でした。ですが、肝心の小太鼓が見えないのに、狸の子は棒を二本だすと、「愉快な馬車屋」をリクエストします。
 ゴーシュは狸の子に渡された楽譜を読んで、また笑いますが、セロを演奏してやります。すると狸の子はセロの駒の下をぽんぽん叩いて、うまく調子を合わせます。ゴーシュは面白く感じたのですが、最後まで弾くと狸の子は首をかしげて、ゴーシュの演奏で気になる部分を口にしました。それは、ゴーシュも自覚して、ちょうど練習していた所だったのです。そして、ゴーシュと狸の子は、どうにか上手くできないかと、朝まで練習を続けたのです。

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