宮沢賢治「セロ弾きのゴーシュ」について14

 本日で最後となる「セロ弾きのゴーシュ」、前回はゴーシュがアンコールの演奏を1人で任され、全員を見返すつもりで思い切り「印度の虎狩り」を演奏したところでした。ゴーシュは全員が慌てふためくだろうと思いましたが、皆はゴーシュの演奏を静かに、けれど一生懸命に聞いていたのです、そして、演奏を終えると、あの時の猫の様にゴーシュはセロをもって楽屋に逃げ込んだのです。そこには、ゴーシュを推薦した楽長を筆頭に仲間たちが目を閉じ、座り込んでいたのです。やぶれかぶれと思い、その間をさっさと歩いて長椅子に足を組んですわりました。
 すると、全員が一斉にゴーシュを見ますが、その顔は笑っていません。今日は変な晩だ、と思っていると、楽長が立ち上がってゴーシュを褒めたのです。一週間前より上達したと、すると仲間たちも立ち上がってゴーシュを褒めたのです。その晩、自分の家へ帰って、水を飲んで、窓を開けるといつかのカッコウを見つけたのです。ゴーシュが、あの時はすまなかった、怒っていたんじゃない、という様なセリフで物語は終わりとなります。次回からは此方も宮沢賢治の代表作「注文の多い料理店」を紹介します。

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