本日から紹介する「注文の多い料理店」は、1924年に自費出版された短編集の1つでした。この短編集には作者である宮沢賢治の創作に対する姿勢と生き方について書かれた「序」が添えられていたそうです。ですが、本自体は当時の収入からすると高価だったので、売れ残っていたそうです。ですが、彼の評価が見直されると共に、この作品も国語の教科書に載るなど代表作の1つになったのです。
そんな物語の始まりは、2人の若い青年がイギリスの兵隊風の格好で、白熊の様な犬を二匹連れて山奥に狩りに来て、帰る場面から始まります。2人は山奥まで来たのに、鳥も獣も見つけられず、手ぶらで帰る事になり、それについて不満を言い合っていました。ですが、その山奥は2人を案内してきたプロの狩人も、少し戸惑い、いつの間にか何処かへ行ってしまう程の山奥だったのです。しかも、その山の雰囲気があまりに凄かったのか、連れてきた二匹の犬も同時にめまいを起こして、しばらく吠えたと思ったら泡を吹いて事切れてしまったのです。この時点で、既に不穏な空気が漂っています。
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