宮沢賢治「注文の多い料理店」について2

 前回はイギリス兵隊風の青年2人が、狩りに来たものの道案内はいなくなり、連れてきた白熊の様な犬が二匹とも急に事切れてしまった所でした。犬が完全に事切れている事を確認して、2人は高い費用を払ったのに、と言います。ですが、片方は異様な雰囲気に気付いたのか、顔色を悪くして、もう片方に自分は帰る事を告げます。対して、言われた方は特に気にした風でもなく、お腹が空いたから戻る、と言いました。それを聞き、顔色を悪くした方は一緒に帰れる事に安堵したのか、すぐに切り上げようと言い、昨日泊まった宿屋なら山鳥が出ていたから、それを手土産に買って帰ればいい、と言います。
 それを聞き、腹が空いたといった方は、兎も出ていたから自分達で狩れずとも結果は同じだったかと気付き、帰ろうと言います。ですが、困った事に、どっちへ行けば帰れるのか分からなくなっていたのです。しかも、風が勢いよく吹いてきて、草もざわめき、木の葉も木も鳴る有様です。そんな中で、釣られて顔色の悪い方も空腹になって、歩く気も起きなくなってきたのです、そんな時に後ろを振り向くと、立派な一軒の西洋づくりの家があったのです。

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