宮沢賢治「注文の多い料理店」について6

 肥った若い2人の紳士は山奥で道に迷い、そこで見つけた西洋料理店に入り、何かを食べたいと思うのに、出てくるのは扉ばかり。しかも、おかしな事ばかり書いているのです、注文が多い料理店だと念を押したり、髪を整えて、履物の泥を落としてください、と書かれていたり。明らかにおかしな事ばかりですが、西洋料理店のルールだろうと解釈したり、高級な店だから色々と決まり事があるのだろうと、2人は指示に従います。しかし、髪を整えるブラシを置いた瞬間、室内におかしな風が吹きこんできたのです。流石に驚いた2人は、急いで次の部屋に入ります、そろそろ何か食べたいと空腹も限界の2人ですが、入ってきた扉の内側には他の扉と同じ様におかしな事が書いてあったのです。
「鉄砲と弾丸をここへ置いてください。」
 扉の横には、黒い台があり、流石に荷物を持って食事はできないか、偉い人が来ているのだろうと2人は鉄砲と弾丸を台の上に置きます。そして、次に現れた黒い扉には「どうか帽子と外套と靴をおとり下さい。」と書かれていました。

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