おかしな事が続きながらも、これも西洋料理店ならではの決まり事だと思い、少し怪しく思いながらも2人の紳士は店の指示に従って、どんどん奥へ進んでいきます。そして、鉄砲と弾丸も手放し、今度は帽子に外套、更に靴まで脱ぐように書かれた扉に行き当たります。よほど偉い人が来店しているのだろうと、2人は指示通りに靴まで脱いで、扉の中に入りました。その裏には「ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、ことに尖ったものは、みんなここに置いてください」と書いてありました。扉の横には立派な黒塗りの金庫があり、鍵まで置いてありました、何かの料理に電気を使うから貴金属は危ないだろうし、尖ったものは単純に危ない、金庫があるなら、最後の会計は此処でするのだと思い、これも指示に従います。
そして、少し進むとガラスの壺があり、傍の扉には中身のクリームを顔や手足に塗ってください、と書かれていました。壺に入っていたのは、牛乳のクリームでした、1人が疑問に思いますが、もう1人は外が寒くて、店の中が暖かいと肌が切れるから、その予防だろうといい、靴下まで脱いでクリームを満遍なく塗りました。そして、扉を開けると裏には、また壺があり、耳までクリームを塗るように書かれていました。
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