宮沢賢治「銀河鉄道の夜」について7

 絶対に父さんは帰ってくるというジョバンニは、クラスメイトが父親の事で何かいう中で、カンパネルラだけは違う、と言いました。母親もジョバンニの父親とカンパネルラの父親が、ちょうど2人の様な子供の頃から友達だったと言い、ジョバンニは自分も前は父さんと一緒にカンパネルラの家に言ったこと、カンパネルラの家にはアルコールランプで走る汽車があること、今も新聞配達で家にいくことを話しました。それから、牛乳を取りにいくついでに今夜のお祭りを見てくると言いました、母親は川に入らない様に注意しながら、カンパネルラと一緒なら、もっと遊んできていいと言ってくれたのです。それを聞き、ジョバンニは食器やパンの袋を片付けると30分だけ長く出てくるといい、家を出ました。
 すでに日が沈んだ暗い町の坂をおりながら、ジョバンニは自分が機関車になったつもりで、街燈の光に照らされた影をコンパスに見立てて、街燈の下を通り過ぎました。その時、クラスメイトのザネリが電燈の向こうにある暗い横道から出てきて、すれ違い様に皮肉を言ったのです。ジョバンニはお祭りに行くのかと、声を掛けようとしただけなのに、嫌な気分になりました。声を高くして叫び返しますが、ザネリは直ぐに行ってしまい、声は届かなったようです。

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